ファミリー層に人気のミニバンですが、そのなかでもセレナの燃費はトップクラス。
ただe-POWER車は価格が高いですよね。
それなら購入価格をおさえてS-ハイブリッド車を購入した方がお得なのでは?
この辺を明らかにすべく、S-ハイブリッドの実燃費を中心に話を進めていきます。
新型セレナS-ハイブリッド(C27型)の実燃費
セレナS-ハイブリッドのJC08燃費と実燃費
出典:日産サイト
まず新型セレナS-ハイブリッドのJC08モード燃費です。
S-ハイブリッドの燃費:17.2㎞/L
これに対して実燃費はどうなのでしょうか。
主要な車サイトや口コミの情報を確認してみます。
『e燃費』では次のように掲載されています。
S-ハイブリッドの実燃費:10.49㎞/L
グレードはハイウェイスター。
e燃費にはS-ハイブリッド ハイウェイスター以外にも様々なグレードの情報が集まっていますが、大体10㎞/L程度であることがわかります。
セレナユーザーの口コミや試乗・燃費テストからはより具体的な状況がわかります。
セレナS-ハイブリッドの走行シーン別燃費
出典:PhotoAC
セレナユーザーの情報によると、S-ハイブリッドは高速道路の走行が得意なようです。
高速道路では、市街地などとくらべると停車・発進を頻繁に行わなくて済むので高燃費につながります。
市街地は信号が多いですし、どうしてもストップアンドゴーをする機会も増えてしまいます。
『オートックワン』の燃費テストでは、高速の実燃費は15.1㎞/Lに対し、市街地では11.3㎞/Lだったとあります。
やはり走行状況によって大きく変わってくるようですね。
実はセレナS-ハイブリッドの燃費は悪いのか?
口コミでは、どちらかといえばセレナS-ハイブリッドは「燃費が悪い」という評価をしている人が多いように思います。
セレナe-POWER車や、トヨタ ヴォクシーやホンダ ステップワゴンのハイブリッド車などと比べると、どうしても見劣りしてしまいます。
しかし、セレナS-ハイブリッドは競合車のハイブリッドと比べるべきではありません。
「S-ハイブリッド」はハイブリッドとはいうものの、その仕組み的に純粋なハイブリッドと捉えない方がいいんですね。
マイルドハイブリッドです。
口コミでも新型セレナのいいところとして、ハイブリッドによる燃費性能という点ではなく、広々とした室内空間などファミリーカーとして快適に利用できる側面をあげている人が多数です。
このようにあまり燃費性能では評価の高くないセレナS-ハイブリッドですが、他の人気ミニバンの実燃費はどうなっているのでしょう。
セレナとヴォクシー・ステップワゴン
2018年上半期のミニバン販売台数ランキング
セレナと同じミドルサイズミニバンで人気なのがトヨタ ヴォクシーとホンダ ステップワゴンですよね。
このジャンルの2017年販売台数ランキングは1位がヴォクシー、2位がセレナ、ステップワゴンは5位でした。
(3位はトヨタ ノア、4位はトヨタ ヴェルファイア)
ちなみに、販売台数はヴォクシーが86,772台でセレナが84.433台と僅差ですが、ヴォクシーが上です。
このヴォクシー・セレナが、特にこのジャンルの2強という構図になります。
では、2018年はどう変化したのでしょう。
2018年上半期の販売台数ランキングは次のとおり。
1位 セレナ(56,095台)
2位 ヴォクシー(47,702台)
3位 ステップワゴン(31,436台)
2018年上半期はセレナがヴォクシーに逆転して見事1位になりました。
ステップワゴンも健闘、ノア・ヴェルファイアをおさえ3位となりました。
新型セレナは乗用車全体でみても4位。
日産ノートにも搭載されているe-POWERをラインナップに加えたことが売上を伸ばした一因でしょう。
では、次は各車種の実燃費について比較してみましょう。
セレナ・ヴォクシー・ステップワゴンの実燃費
ここでご紹介するのはセレナはS-ハイブリッドであり、同時にヴォクシー・ステップワゴンはガソリン車です(ハイブリッド車ではありません)。
では、3車種のJC08モード燃費から。
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セレナ:17.2㎞/L
ヴォクシー:16.0㎞/L
ステップワゴン:17.0㎞/L
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セレナとステップワゴンはほんの少しの差ですが、セレナが1位。
実燃費についてはどうでしょう。
e燃費を参考にすると、次のようになります。
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セレナ:10.49㎞/L
ヴォクシー:10.68㎞/L
ステップワゴン:11.13㎞/L
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実燃費ではステップワゴンがトップ、セレナは最下位になりました。
そう大きな差であるとも思えませんが。
セレナは燃費以外にも大きな魅力があります。
それはプロパイロットをはじめとする先進安全装備や広々とした室内空間。
見た目もヴォクシーやステップワゴンと比較したときに、より万人ウケするというか幅広い年齢層に好まれそうな雰囲気があります。
街なかで見かけるのも、ヴォクシー・ステップワゴンはより若者イメージなブラック、セレナはファミリーライクなホワイト系が多いような気がしませんか。
セレナS-ハイブリッドは、実燃費ではヴォクシー・ステップワゴンに若干引けをとったものの、ファミリーを惹きつける様々な要素で勝り、e-POWERも加わるなかで2018年も売上を伸ばしていきました。
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セレナ・ステップワゴン比較
では今度は、セレナ同士の比較でe-POWERとS-ハイブリッドでは、どちらが買いなのか考えてみたいと思います。
実燃費からみたセレナe-POWERとS-ハイブリッドの比較
セレナには様々なグレードがあります。
ガソリン車S、標準モデルX、オプションが充実しているG、エアロパーツがついたハイウェイスター、スポーツ仕様のオーテック・ニスモ。
このなかに、新たにe-POWERが新たに加わりました。
e-POWER以外が基本的にS-ハイブリッドになります(Sグレードはガソリン車)。
この新たなパワートレインe-POWER、本当にS-ハイブリッドより買いなのでしょうか?
もちろんe-POWERの方が高い燃費性能を備えています。
JC08モードでは
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e-power:26.2㎞/L
S-ハイブリッド:17.2㎞/L
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実燃費では
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e-power:15.85㎞/L
S-ハイブリッド:10.49㎞/L
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と、その差は歴然です。
しかし同時に、価格にしてe-POWERはS-ハイブリッドよりも50万円ほども高くなります。
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e-POWER X:2,968,920円
X:2,504,520円
[/aside]
仮にガソリンを150円/Lとするなら、50万円では
500000÷150=3333.333…(L)
と、約3333Lのガソリンを給油できることになります。
S-ハイブリッドで3333Lを給油して初めてe-POWER購入価格とトントンになります。
つまり、S-ハイブリッドで3333L以上給油する距離を走らないのであれば、e-POWERよりS-ハイブリッドを購入した方がお得になるということです。
では、その3333Lでは何㎞走れるのかとうと、S-ハイブリッドの実燃費10.49≒10.5㎞/Lとして計算すると
3333×10.5=34996.5
と、約35000㎞です。
通勤に片道10㎞、往復で20㎞を走行するユーザーを想定してみます。
月に20日間出勤とするなら、通勤で月間400㎞走ることになります。
そして休みの日のドライブなどで月にプラス100㎞とでもするなら、全体としては月に500㎞です。
これが1年間では、500×12=6000㎞。
3333Lで走れる35000㎞までは何年乗れるか?
丸6年間で6000×6=36000㎞ですから、そこから1000㎞(2ヶ月分)を差し引くと
ということになります。
以上から次のことが言えます。
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ポイント
通勤で20㎞走行するユーザーが、セレナS-ハイブリッド車に5年10ヶ月をこえて乗り続けるのでなければ、e-POWERよりS-ハイブリッドを買った方がお得
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ちょっと回りくどい言い方になりましたが。
要するに、6年ほど乗るならe-POWERの方がいいよ、てことです。
あくまでも単純計算ですが。
実際は、別記事でも解説しているとおり税金のことなどもあるので、もう少し状況は変わってきます。
単純に10年とかそんなスパンで乗ることを想定しているのなら、e-POWERの方がお得なケースが多いですね。
一つのご参考までに。
新型セレナS-ハイブリッドの実燃費まとめ
e燃費によると新型セレナS-ハイブリッド(C27型)の実燃費は10.49㎞/L(ハイウェイスター)。
これをどう見るかは賛否がありますが、口コミではどちらかというとネガティブな印象が強め。
それもそのはず、セレナS-ハイブリッドと競合する人気ミニバンのトヨタ ヴォクシーとホンダ ステップワゴンの実燃費がそれぞれ10.68㎞/L、11.13㎞/Lと、セレナを上回っているのです。
それでもセレナが高い人気を博している理由は、プロパイロットなどの先進安全装備や広々とした室内空間など、特にファミリーにアピールできるポイントがあるからでしょう。
また、セレナにe-POWERが加わった現在、S-ハイブリッドの存在感にどう影響しているのでしょうか?
通勤で20㎞程度のユーザーが5年10ヶ月以上S-ハイブリッド車に乗り続けるのであれば、e-POWER車を購入した方がよさそうです。
逆に言えばそんなに長く乗らない場合、S-ハイブリッド車の方が価格的には有利。
実際には税金のことや下取り価格のことも絡んでくるのであくまで単純計算での話ですが。
普段の走行距離やセレナに乗る年数によってはS-ハイブリッドの方がお得なケースも多々出てくるので、まだまだS-ハイブリッド車の存在感が失われたとは思えません。
それでは最後までお読みくださりありがとうございました。