ただ、「やめとけ」と言われる理由をたどっていくと、その多くは特定の使い方や誤解に結びついています。裏を返せば、自分の乗り方に当てはまらなければ、気にしなくていい話も多いということです。
契約の直前になって、ふとスマホで「セレナ やめとけ」と検索してしまう。見積もりまで進んだのに、後悔や欠点の話を見つけてしまうと、最後のサインをためらいますよね。総額で400万円近くになることもある買い物ですから、慎重になるのは当然です。
- 「セレナC28はやめとけ」と言われる5つの理由
- セレナで後悔しやすい人の特徴
- それでもセレナが選ばれる理由
- セレナで後悔しないための選び方
「セレナ C28はやめとけ」と言われる5つの理由

セレナに対する不満は、主に価格や走行性能、乗り心地に集中しています。ただし、旧型の情報や個人の感覚による評価も混在しているため、現行モデルの仕様と分けて考える必要があります。
- e-POWERの価格の高さ
- 高速燃費の伸び悩み
- 乗り心地の硬さ
- 故障やトラブルへの不安
- リセールバリューの低さ
e-POWERの価格の高さ
2025年12月発表・2026年2月発売のマイナーチェンジ後、セレナの価格帯は278万5,200円〜499万8,400円(税込)まで幅があります。中でもe-POWERは、同グレードのガソリン車より50〜65万円ほど高く設定されているのが実情です(2WD同士でおよそ50〜55万円、4WDのe-4ORCEでは約65万円)。
装備や燃費性能を考えれば納得できる価格ではあるものの、「ミニバンにこの金額を出すのか」という心理的なハードルは小さくありません。特に、最上級グレードの「LUXION(ルキシオン/499万8,400円)」とベースグレード(ガソリンX/278万5,200円)の価格差は220万円を超えるため、グレード選びを誤ると想定より大きな出費になりがちです。
高速燃費の伸び悩み
次に多いのが燃費です。意外かもしれませんが、e-POWERが苦手とするのは高速道路です。エンジンは発電に徹してモーターで走る仕組みのため、減速の少ない高速巡航では発電のためにエンジンが回り続け、燃費が伸びにくくなります。
ふつうのハイブリッドは高速で燃費が伸びるので、同じ感覚で期待すると肩透かしを食らいます。街乗りでこそ燃費が伸びるタイプだと捉えておくと、乗ってからのギャップが小さくなります。高速走行の口コミや他車との比較は「新型セレナe-POWERの実燃費|高速道路走行・他車比較・口コミ」にまとめています。
乗り心地の硬さ
3つ目は乗り心地です。セレナは足回りがやや硬めで、荒れた路面では突き上げを感じることがあります。「ミニバンなのに家族が酔いやすい」という声も、このあたりが理由です。車体が大きいぶん小回りも利きにくく、狭い駐車場で気を使う場面もあります。
もっとも、硬めの足はカーブや高速でのふらつきにくさと裏表です。感じ方は個人差が大きいので、気になるなら試乗で確かめるのが確実です。
故障やトラブルへの不安
4つ目は故障への不安です。とくに先代のC27では、スライドドアの開閉不良やアイドリングストップまわりの電装系トラブルが口コミで語られ、「壊れやすい」というイメージがつきました。ただ、これは先代までの話で、現行のC28がそのまま同じとは限りません。世代を分けて見る必要があります。
一方で、e-POWER車には走行中にモーターが止まるおそれのあるリコールが実際に届け出された経緯もあります[要確認:対象年式・台数・届出内容を裏取り]。これは噂ではなく公式に対処された事案なので、中古を狙うなら対策済みかどうかを確かめておきたいところです。
参考:消費者庁|リコール情報[要確認:正式名称・URL]
リセールバリューの低さ
最後がリセールバリュー、つまり数年後に売るときの価格です。同じクラスのノアやヴォクシーはリセールの強さに定評があり、それと比べるとセレナは見劣りするといわれます。乗り換えを前提に総額を考える人ほど、この差は効いてきます。
とはいえ、e-POWERや装備の整ったハイウェイスター、定番の人気色を選べば、セレナの中でも値落ちは抑えやすくなります。売るときのことは、買うグレードと色である程度コントロールできます。
セレナで後悔しやすい人の特徴

ここまでの理由を裏返すと、後悔しやすい人の輪郭が見えてきます。セレナが悪いというより、乗り方や求めるものとの相性の問題です。とくに次のような人は、契約書にサインする前に、もう一度立ち止まってみてください。
- 高速道路を長く走る人
- 走り・内装の質感を求める人
- 初期費用を最優先したい人
高速道路を長く走る人
通勤や出張でほぼ毎日高速に乗る、そんな使い方ならe-POWERはすすめにくいです。すでに触れたとおり、高速巡航はe-POWERがいちばん苦手とする場面で、燃費のうまみが薄れるうえに、発電のためのエンジン音も気になりやすくなります。
高速中心なら、正直なところガソリン車や、エンジンが直接タイヤを駆動するトヨタ・ホンダのハイブリッドのほうが噛み合います。セレナそのものにこだわりがないなら、そこは無理にすすめません。
走り・内装の質感を求める人
価格が上がったぶん、内装の上質さやキビキビした走りを期待すると、肩透かしを感じやすくなります。セレナはあくまで実用重視の一台で、質感やスポーティさで満足したい人には向きません。そこはノアの上位グレードや、いっそ別ジャンルの車まで見たほうが早いです。
初期費用を最優先したい人
とにかく最初の支払いを抑えたい人にも、e-POWERは重く感じられます。ガソリン車との価格差に加えて、あれこれオプションを足すと総額はさらに膨らみます。
初期費用を最優先するなら、ガソリン車を選ぶか、状態のいい中古や型落ちのC27に目を向けるほうが、目的にまっすぐです。燃費で取り返す発想は、長く乗って初めて効いてくる考え方だと割り切ったほうがいいかもしれません。
それでもセレナが選ばれる理由

気になる話が続きましたが、セレナは今も売れ筋のミニバンです。弱点の裏側には、選ばれるだけの強みがあります。後悔しやすい人と鏡合わせで、どんな人に向くのかを見ていきます。
- 街乗りでの静かさ
- 運転支援の手厚さ
- 家族での使い勝手
街乗りでの静かさ
セレナのe-POWERがいちばん輝くのは、送迎や買い物といった街中の移動です。信号待ちからの発進はモーターならではの滑らかさで、エンジン車のような音や振動がほとんどありません。子どもが寝てしまった車内でも、静けさを保ったまま走れます。
街乗りは減速の回数が多く、そのたびに回生ブレーキで発電するため、燃費も伸びやすくなります。高速が苦手な裏返しで、ストップ&ゴーの多い日常こそ得意分野です。
運転支援の手厚さ
運転のしやすさも、セレナが支持される理由です。アクセルの操作だけで加減速できるe-Pedalは、渋滞や街乗りで足の負担を軽くしてくれます。高速でのプロパイロット、駐車時のアラウンドビューモニターなど、運転に自信がない人ほど助けられる装備がそろっています。
安全装備の実力や使い勝手は、単体で詳しく見ておく価値があります。

家族での使い勝手
家族で使う道具としては、セレナはよくできています。低い床と広く開くスライドドアは、子どもの乗り降りやチャイルドシートの付け外しを楽にしてくれます。シートアレンジの自由度も高く、荷物や人数に合わせて形を変えられます。
3列目が広いとはいえない、という指摘はそのとおりで、大人が長時間座るには手狭です。ただ、ふだんは2列目まで、3列目は必要なときだけという家庭なら、不満は出にくいはずです。
セレナで後悔しないための選び方

最後に、買うと決めたあとで後悔しないための選び方をまとめます。セレナは選び方しだいで満足度が大きく変わる車です。グレード・試乗・中古の順に、押さえておきたいところを見ていきます。
グレード選びの優先順位
グレード選びは、価格の安さだけで決めないほうがいいです。安いグレードを選んだ結果、あとからプロパイロットが付いていないことを悔やむ声は、オーナーからよく聞きます。数万円から数十万円の装備差が、毎日の快適さと数年後の売値の両方を左右します。
コツは、先に「絶対に欲しい装備」を決めること。それを含む最安グレードを起点に選べば、予算内で満足度を高めやすくなります。現行C28で何が変わったかを押さえておくと、グレードの見比べもしやすくなります。

試乗で見ておきたいこと
カタログでは分からない部分こそ、試乗で確かめる価値があります。荒れた路面での乗り心地の硬さ、エンジンが発電を始めたときの音、3列目の広さや乗り降りのしやすさ。いずれも家族を乗せる前提なら、自分の感覚で確かめておきましょう。
中古を選ぶときの注意点
予算を抑えるなら、型落ちのC27やC28の中古も有力です。ただし中古は個体差が大きいので、電装系の動作、バッテリーの状態、保証が残っているかを必ず確認します。とくに先に触れたリコールの対策が済んでいるかは、納車前に必ず確かめておきましょう。
中古車選びそのもののコツは、車種を問わず共通する部分も多いです。「失敗しない中古車の選び方」もあわせて読んでおくと、判断の基準ができます。
セレナ やめとけでよくある質問

購入を迷う人からよく挙がる質問に、最後の不安をつぶす形で答えます。
バッテリー交換に何十万もかかる?
「バッテリー交換に60万円かかる」といった話を見て、身構えてしまった人もいるはずです。ただ、これは駆動用の大きなバッテリーを保証外で丸ごと替える、という極端なケースの試算が独り歩きしたものです[要確認]。実際には5年または10万kmのメーカー保証が付き、この駆動用バッテリーは基本的に交換不要とされています。
ふだん「バッテリー上がり」で交換するのは、どの車にもある12Vの補機バッテリーのほうで、こちらは数万円ほどです。2つは別物なので、混同して怖がる必要はありません。補機バッテリーの選び方は「セレナ(C26・C27)バッテリー交換におすすめの5選を紹介」が参考になります。
ノアやヴォクシーと比べてどう?
価格やリセールの面では、たしかにトヨタのノア・ヴォクシーに分があります。ただ、モーター走行のなめらかさと街中での静かさは、セレナがはっきり上回ります。数字で選ぶならトヨタ勢、乗り味で選ぶならセレナ、という住み分けです。
同じ土俵で迷うなら、ステップワゴンも含めて実際に乗り比べるのがいちばんです。詳しい比較は関連記事にゆずります。

中古のセレナはやめたほうがいい?
一律に避ける必要はありません。セレナは世代ごとに中古の狙い目があり、C26・C27・C28それぞれに価格と装備のバランスがいい個体があります。大事なのは年式より状態と保証で、そこを見極められれば中古は十分に選択肢になります。
先ほどの電装系やリコールのチェックさえ押さえれば、過度に恐れることはありません。予算に合わせて賢く狙ってみてください。
まとめ

「セレナ C28はやめとけ」という言葉は、半分は本当で、半分は的外れです。高速をよく走る人、走りや内装の上質さを最優先する人、初期費用をとにかく抑えたい人にとっては、たしかに他の選択肢のほうが幸せかもしれません。
反対に、街乗りや送迎が中心で、静かさや運転のしやすさ、家族での使い勝手を重視するなら、セレナは今も有力な一台です。決め手になるのは、口コミの評判ではなく、自分の乗り方に照らして考えることです。
買うと決めたら、グレード選びと試乗でつまずかないこと、そして条件面をしっかり詰めることが、後悔をいちばん遠ざけます。値引きの引き出し方は「セレナの値引きを限界まで引き上げる方法」にまとめているので、最後のひと押しに役立ててください。
