日産車に搭載される自動運転技術、プロパイロット。
「プロパイロットパーキング」なら、さらに駐車も自動でコントロール。
駐車が苦手な人や慣れない場所でも安心です。
この技術は、セレナの駐車支援システム「インテリジェントパーキングアシスト」とはどう違うのでしょうか?
この違いについてご紹介します。
プロパイロットパーキングとは
出典:日産リーフサイト
プロパイロットパーキングは国産車では初となる自動駐車システム。
日産リーフで採用されました。
EVとしての印象が強いリーフですが、プロパイロットなどの先進安全装備も見逃せないポイントです。
プロパイロットパーキングとはどのようなシステムなのでしょうか。
プロパイロットパーキングは自動駐車システム
出典:日産リーフサイト
プロパイロットパーキングはスイッチ操作一つで駐車に必要な作業のすべてをコントロールしてくれます。
以下の操作を自動で制御し、かつ安全に自動駐車を行います。
- アクセル
- ブレーキ
- ステアリング
- シフトチェンジ
- パーキングブレーキ
これらのすべてを、スイッチを押すことで実現します。
プロパイロットパーキングは次のような仕組みにより自動制御を可能にしています。
プロパイロットパーキングの仕組み
出典:日産リーフサイト
リーフは4つの高解像度カメラを搭載しています。
車両前方3カ所・後方1カ所に設置。
これはセレナも同じで、フロント×1、サイド×1、ずつリヤ×1と車両の前後左右にカメラが取り付けられています。
またリーフには車両周囲に12個のソナーがあります。
4つのカメラからなるリアルタイム画像処理とソナー情報とを組み合わせることで車両周辺の状況を検知。
この情報をもとにアクセル、ブレーキ、ステアリング、シフトを連動させ正確に車両をコントロールするのです。
ステアリングの自動制御だけでも十分驚きに値すると思うのですが、最後にシフトチェンジ・パーキングブレーキまでもやってのけるのが本当にすごいです。
では一方で、セレナに採用されている駐車支援システムはどのようなものなのでしょうか。
セレナのインテリジェントパーキングアシストとは
出典:日産セレナサイト
セレナの駐車支援システムはインテリジェントパーキングアシストです。
プロパイロットパーキングに負けず劣らず未来を予感させるネーミングですね。
これはプロパイロットパーキングと比べるとどんな機能かわかりやすいです。
プロパイロットパーキングの制御する操作のうち、インテリジェントパーキングアシストが行うのはステアリングのみとなります。
そのほかのアクセル・ブレーキ・シフトチェンジ・パーキングブレーキに関してはドライバーが手動で行います。
セレナの場合はあくまで、駐車「支援」システムなのですね。
先にプロパイロットパーキングから入るとどうしても見劣りしてしまう気がしますが、これだけでも十分先進的と言えると思います。
プロパイロットパーキングとインテリジェントパーキングアシストの違いがわかったところで、もう少し詳しく操作手順をみていきます。
プロパイロットパーキングの操作手順
プロパイロットパーキングは大きく3つのステップで自動で駐車を完了させます。
駐車の仕方も、前向き駐車、後向き駐車、縦列駐車と選択することが可能です。
ここでは前向き駐車で解説。
①駐車スペースの横に車を停める
まず駐車したいスペースの手前まできていったん停車します。
そしてプロパイロットパーキングスイッチを1回押してからゆっくり前進。
駐車したいスペースの真横に車を停めます。
②駐車開始
車が駐車可能スペースを自動検知します。
検知されるとナビ上に「P」のマークが表示されます。
これを確認して、ブレーキペダルを踏んだまま「駐車開始」。
プロパイロットパーキングスイッチを押しながら、ブレーキペダルを徐々にゆるめていきます。
③駐車完了
自動駐車が開始したら、完了するまでずっとプロパイロットパーキングスイッチを押し続けます。
このときスイッチを離したり、ブレーキ・ステアリング操作をすると車は停止してしまいます。
逆にいえば、ドライバーが何らかの異常を察知して途中で自動駐車を解除したいときにそのような操作をすればいいことになります。
「キャンセル」をタッチすることでも解除できます。
駐車が完了すれば自動で電動パーキングブレーキが作動し、「P」にシフトチェンジされます。
✳︎「プロパイロットパーキングの操作手順」の画像はすべて日産リーフサイトから
インテリジェントパーキングアシストの操作手順
出典:日産セレナサイト
今度はインテリジェントパーキングアシストの使い方です。
全体的な流れはプロパイロットパーキングと同じです。
ただプロパイロットパーキングより手動での操作が増えてきます。
ここでは後向き駐車の説明です。
プロパイロットパーキングの操作画面は、通常速度などが表示されるメーターパネルのところに表示されます。
日産純正ナビ、アラウンドビューモニター対応の社外ナビがある場合はナビ表示もできます。
①駐車スペースの横に車を停める
要領はプロパイロットパーキングのときと同じです。
駐車スペースを見つけて、その手前で停止。
出典:日産セレナサイト
インテリジェントパーキングアシストのスイッチを押します。
駐車方法を選択。
ステアリングスイッチの「OK」を押します。
ゆっくり前進して駐車したいスペースの1mほど横に車をつけます。
②駐車開始
停車している状態で画面上の枠の位置を確認します。
周囲の安全を目視で確認しつつ、車を移動させて調整します。
「OK」スイッチを押してシステムを作動。
出典:日産セレナサイト
ハンドルに手を添えながら、ブレーキで速度を調整しつつゆっくり前進します。
切り返し目安枠(薄い線の枠)までステアリングは自動で制御されます。
枠まで到着したら手動でシフトレバーを「R」にチェンジ。
ブレーキで速度を調整しながら後退していきます。
③駐車完了
駐車したい場所まで車を移動したら、ブレーキを踏み手動でシフトレバーを「P」にします。
自動駐車・駐車支援システムの実際
プロパイロットパーキングやインテリジェントパーキングアシストは実際どんな場面で役立ちそうなのかイメージしてみましょう。
ドライブは好きだけど、駐車は苦手な方は、特に女性などに多いかもしれません。
そんな人には心強い味方ですね。
駐車場のスペースというのは広いところから狭いところまで様々です。
限られたスペースしかない立体駐車場に停めるとき、縦列駐車をしなければならないときなど重宝しそうです。
駐車の仕方を選べるので柔軟に対応できるところが嬉しいですね。
前向き駐車など運転に慣れている人ほどする機会が意外と少ないかもしれません。
このように車の駐車に慣れている人から慣れていない人まで、自動駐車・駐車支援システムは嬉しいものです。
ただ、セレナユーザーでインテリジェントパーキングアシストを使っていないという人がいます。
なぜなら設定が面倒だから。
インテリジェントパーキングアシストの操作手順でみたように、手動操作が多くなってくると「自分で操作した方が早い」というふうになってきます。
また道路沿いの狭い駐車場で、本当は自動で駐車したいけれど悠長に設定をしている暇がないというシーンも多いと思います。
そう考えるとプロパイロットパーキングレベルかそれ以上にスピーディに設定できないと利用できる機会は限定されてきそうですね。
プロパイロットパーキングとセレナの駐車支援システムのまとめ
リーフに採用されているのがプロパイロットパーキング。
これはアクセル・ブレーキ・ステアリングからシフトチェンジ・パーキングブレーキまでを自動制御する技術です。
一方でセレナに採用されているのはインテリジェントパーキングアシスト。
こちらが自動で制御するのはステアリングとなります。
両者にはこのような違いがあります。
インテリジェントパーキングアシストのステアリング操作だけでも先進的ではありますが、設定に時間がかかり利用していないユーザーも少なくありません。
常に周囲の交通状況を考慮しなければならないので、スピーディに設定できなければせっかくの機能も利用する機会が減ってしまいます。
この辺を修正できればプロパイロットなどと同様にセレナの先進安全機能の目玉としてピックアップできるでしょう。
それでは最後までお読みくださりありがとうございました。